うさぎのクリッカートレーニング

うさぎのきなこ、ネザーランドドワーフのメス、生後1年8ヶ月。
クリッカートレーニング、始めました。

我が家での遊びは、クリッカートレーニングと言えるものなのかどうかはわかりませんが、クリックスティックを使って、うさぎと楽しく遊ぶやり方を書きます。

  1. クリッカートレーニングって何?
  2. ラビットホッピング
  3. 我が家での遊び方
  4. クリッカートレーニングで気を付けている事
  5. トレーニングに使う道具について
 1. クリッカートレーニングって何?

 
クリッカートレーニングについては、詳しく説明されている有用なサイトが他に沢山あります。正式な方法を知りたい方は、他のサイトをご確認下さい。

ここでは私のクリッカートレーニングとはこれだ!と思っている内容を簡単に説明します。

クリッカートレーニングとは、クリッカーと呼ばれる押すと音の出るものとおやつを使って、ペットにしてほしい行動を覚えてもらうトレーニングです。

こちらクリッカーです。(こちらのサイト、送料80円で送ってもらえるのでクリッカーだけ買うのだったら安いです。)
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飼い主がやってほしい行動の命令を出します。
ペットがうまくできたら、できた直後、瞬時にクリッカーを鳴らします。
クリッカーを押すと、「カチッ」という音が鳴ります。
これが、良い行動ができたよ!とペットに知らせる合図です。
飼い主がクリッカーを「カチッ」と鳴らした後、すぐにおやつやペレットなどをご褒美としてペットに与えます。
これを繰り返すと、ペットはクリッカーが「カチッ」と鳴ると、ご褒美が貰える事を学びます。
この学習を使って、飼い主が教えたい事を楽しく覚えてもらうのです。

クリッカーでなくても音の出るものなら何でも代用できます。
掛け声でも当然いいのですが、声色を一定にするのは意外に難しく、飼い主の体調や気分によって同じトーンや音が確実に出せるとは限りません。ボールペンなどをクリッカーの代わりに代用する例もありますが、日常使用する音を使うと、訓練とそうでない時の違いをペットが理解する事ができません。
普段使用する音ではない音で、いつでも一定の音を出す事が出来るものを使うとペットが混乱しない為、やはり専用のクリッカーが便利でしょう。

実際の訓練の例として、ペットとアイコンタクトを取りたいが今現在アイコンタクトがとれておらず、クリッカーを使用しアイコンタクトの訓練をする場合を挙げます。
「アイコンタクトをペットが行う」行動をしっかりできるように(=これを「行動の強化」といいます)クリッカーでトレーニングをします。

  1. ペットに「クリッカートレーニング、始めるよ!」と声を掛けます。
  2. ペットの目を見て「アイコンタクト」と宣言します。
  3. 目をちょっとでも見れたら、見た瞬間にクリッカーを「カチッ」と鳴らしおやつを与えます。
  4. これを繰り返していくとペットがあの「カチッ」という音がするとおやつをもらえる!と学びます。
    そのうちに飼い主に「アイコンタクト」と言われて「飼い主の目を見れば「いい事」があるんだな。」と学習します。
  5. このトレーニングを繰り返す事で、クリッカーをならさなくても「アイコンタクト」と言うだけで目を見るようになります。

ここで使った「アイコンタクト」と同じように宣言を変える事で、宣言にあった行動を教える事ができます。
うまく行動ができたら、クリッカーをカチッと鳴らしてご褒美を与えます。

ペット自身も何か目標を決めて達成する、やり遂げて飼い主に優しく褒められる事は、嬉しい事です。

クリッカートレーニングを通じて、ペットと飼い主との絆を深め、飼い主だけでなくペットも、トレーニング自体を楽しいゲームの一つとして楽しめるようになると、ペットの気分転換にも使えます。

きなこもクリッカートレーニングを始めてからは、宣言(合図の言葉)も覚え、「クリッカートレーニング始めるよ!」というだけで、楽しい事が始まるぞ!とテンションがあがり、首をブルンと振るって、ひねりジャンプし、駆け寄ってきてくれます。
きなこの楽しみが一つ増えた事を、飼い主も嬉しく思います。

 

 2. ラビットホッピング

 
うさぎの場合はラビットホッピングという競技にクリッカートレーニングは応用されています。
ラビットホッピングは、最近うさ飼いの中では熱いのではないでしょうか。
東京では柴又のうさぎのしっぽで週末はラビットホッピングの練習が行われるようです。
ご興味のある方は、ぜひ行ってみて下さい。

Jrha公認 ラビットホッピング練習会

我が家でもラビットホッピングを購入しましたが、きなこには競技の為ではなく、運動不足解消とうさぎ人生の中での楽しみの幅を広げる為にクリッカートレーニングを行う事にしました。
大変残念ながら我が家ではラビットホッピングに必要な距離を室内では取れなかったというのが断念した第一の理由です。

ラビットホッピングの遊び方は、バーを2台ないし3台並べて、連続して超えていくのが醍醐味だと思います。
助走、ジャンプ、バー越え、着地を繰り返す為バーを2,3台並べると3mくらい必要なのではないでしょうか。

助走スペース→ジャンプ→1つ目のバー →着地・ジャンプ→ 2つ目のバー→着地・ジャンプ→見つめのバー→着地
1つ1つの動作全てにおいて、一定のスペースの確保が必要です。

フローリングは危険なので滑らずグリップのきく床も必要です。
うちでは、この為に床材はADVANのボロンを購入しました。こちらは、フロアカーペットと比べ物にならないくらい全く滑りません。

床さえ整っていれば、もちろんバー1つでも行ったり来たりして、バーをジャンプさせ遊ぶ事はできるかと思いますが、それでも一定のスペースは必ず必要です。
距離を作る事のできない我が家では、クリッカートレーニングの際にラビットホッピングのバーを1つ置くだけ、通り道すがらジャンプしてもらっています。本来とは違う遊び?トレーニング?になってしまっています。

 

 3. 我が家での遊び方

 
クリッカートレーニングを行う際、使う道具は、以下3つです。これらを用意します。

うちではご褒美にペレットか、ウーリー社の高原の朝採りティモシー おためし ヤング(若刈り)を使っています。
ペレットは、朝に1日分を計量し、用意する際に、クリッカー用に遊ぶ分を取り分けて置きます。クリッカーで遊んでも、1日に与えるペレットの総量は超えないよう、あらかじめ取り分けて置きます。

きなこには、クリックスティックを使い、緑の丸い部分にタッチしたら、ご褒美をもらえると教えました。
クリックスティックとは、クリッカーの先に指示棒が一体でついているものです。クリッカーと指示棒を両手で操らなくてもいいので、私は大変気に入っています。
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クリッカーを始めた当初は、以下のようにトレーニングを始めました。

  1. きなこに、「クリッカートレーニング、始めるよ!」と声を掛けます。
  2. ペレットを入れるお皿を置きます。
  3. お皿のすぐ横で、クリックスティックを伸ばし、きなこの鼻先に緑の丸い部分を向けます。
  4. なんだろう?ときなこがよってきて、緑の丸い部分に鼻がちょっとでもタッチしたら、その瞬間にクリッカーを「カチッ」と鳴らし、おやつをお皿に入れます。
  5. きなこは「??」と思っていますが、おやつをお皿に入れる音を聞いておやつを食べます。
  6. 「きなちゃん、えらかったね!」と褒めます。
  7. これを繰り返すと、緑の丸にタッチすると、おやつがもらえる!と学びます。

そのうちに飼い主が「クリッカー」という言葉を発するだけで「わーい、おやつ!おやつ!」と大興奮です。
お皿が遠くても、先端の緑の丸い部分が遠くても、緑目指してまっしぐらです。丸い部分を一生懸命探し、簡単にタッチできないとわかると、彼女なりに考えて、色々トライして鼻タッチをしようします。
鼻タッチできたら、ご褒美が置いてあるお皿までダッシュし、ご褒美を食べ、また飼い主のところまでダッシュで戻ってきます。

今では、このように遊んでいます。

  1. きなこに、「クリッカートレーニング、始めるよ!」と声を掛けます。
    お皿を飼い主から少し離れた所、サークル内を走り回っても邪魔にならない所に置きます。
  2. 飼い主の右手にクリックスティック、左手にご褒美を持ちます。
  3. クリックスティックの緑の部分をどこかに向けます。
  4. きなこが緑の部分に鼻タッチします。鼻タッチした瞬間に、右手のクリックスティックのボタンを「カチッ」と鳴らし、左手でお皿にご褒美を入れます。
  5. きなこがお皿に飛んでいきます(笑)お皿の中のご褒美を食べます。
  6. きなこがご褒美を食べ終わると、飼い主の所に戻ってきます。
  7. またクリックスティックの緑の部分をどこかに向けます。鼻タッチしたら、クリッカーを鳴らしてご褒美を繰り返します。
  8. 遊びをを止める前の、最後の1回になったら、「ラスト!」と声掛けしてから、クリックスティックの緑の部分をどこかに向けます。
  9. 鼻タッチができたら、クリッカーを鳴らしてご褒美をお皿に入れます。きなこが最後のご褒美を口に入れた瞬間に「おしまい!」と言います。
  10. クリッカーの道具全てを片付けます。クリッカートレーニング終了です!


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緑の先をわざとかまくらの上にかざしたり、サークルの一番反対の隅にしたり、私の膝によじ登って伸びをしないとタッチできないように色々工夫します。
きなこも、簡単には取れないとわかるとウロウロして考えて、反対側から攻めてみよう!…登れない。ではこっちからは?というように一生懸命考えて緑にタッチしようとしてきます。

疲れてきて気分がのらない時は、緑の先を考えないとタッチできない所にかざすと、すぐ諦めます(笑)背中を向けてお座りしつつもこっちをちら見したり、膝をぺろぺろ舐めてきて、緑の先タッチできないよぉ…と甘えてきます。

難しい所にチャレンジしてもらうには、夜か午前中の早いうちの時間帯で、かつクリッカーを第一ラウンド3回目くらいの方がいいです。(最初にクリッカーを開始した直後の1,2回は気分が高まるように簡単にタッチできるところにしています。)

 

 4. クリッカートレーニングで気を付けている事

 
我が家のクリッカートレーニングをする目的は、ラビットホッピングの競技に参加させる為ではなく、
きなこのうさぎ人生の楽しみの幅を広げる為と、避妊手術後、体重が増加気味のきなこの運動不足解消の為に行っています。

ジャンプをする事で足腰を鍛える為にラビットホッピングを買い、使用していますが、骨や関節に負担がかからないようバーの高さは出さないようにしています。
飼い主、きなこ双方が、楽しめる事が目的なので、無理やり何かをやらせたり、疲れるまでトレーニングさせたりはしません。
クリッカーを始めるとどんどん興奮してきて、あともう1回、あともう1回とせがみ、疲れてもなおやり続けるので、繰り返して遊ぶ時でもきなこが疲れる前に適度なところでこちらが判断して止めるようにしています。

最後の遊びの前には、緑の丸を差し出す前に「ラスト!」と声をかけます。
ラストの掛け声後緑に1回だけタッチしたら、ご褒美を食べた後すぐに飼い主が「おしまい!」と宣言します。
宣言を覚えるとせがまないようになります。おしまいと言われたら、もう頼んでも絶対に終わりで遊んではくれないと理解しているようです。

 

 5. トレーニングに使う道具について

 


  • クリックスティック
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    我が家ではクリックスティックを使用していますが、クリッカートレーニングはクリッカーと棒さえあれば開始出来ます。

    クリッカーがなくとも、「カチッ」と音さえなるものなら、何でも代用です。クリッカートレーニングの先生によると、「遊んでくれるかどうかわからないんだから、ボールペンでもいいのよ。」との事でしたが、私は専用のものを買って良かったと思っています。

    この緑の丸い球付き棒は、犬のクリッカートレーニング界では、あまり評判がよくないようなのですが、私はうさぎに使う場合において、とてもおススメします。

    まず音についてですが、音とご褒美が直結していますので普段家の中に存在する音でトレーニングをすると、遊びではないのにボールペンの音に「おかし…くれるのかなぁ。」ときなこが期待するかもしれません。それはかわいそうです。クリックスティックなら日常生活で出せる音ではないので、普段の生活の中できなこが惑わされる事もありません。

    次に、棒とクリッカーが一体ですので、両手がふさがらず絶妙のタイミングでカチッができます。緑の丸にタッチした!と思った瞬間、興奮して棒を握りこむだけで、カチッできます。飼い主の練習が要りません(クリッカートレーニングにおいては、絶妙のタイミングでカチッと鳴らせる事がとても重要で、飼い主さんの練習が必要です。)。
    ちなみに、私は普段ゲームをやっているせいか練習はいりませんでしたが(カチっをすぐに押し込める。反応が早かった。)、アナログ派の主人は練習が必要でした(タイミングよく音を鳴らせない。どうしても遅れてしまいがちでした)。

    うさぎは、とにかく素早い動きをしますので、タイミングよくご褒美を与え、次のアクションに移る事がとても重要です。右手にクリックスティック、左手にご褒美で飼い主の両手はすでに埋まっていますから、もう何も持てません。犬の場合は、クリッカーと棒を手に持ち、ご褒美は腰につけたポーチから出すようです。
    うさぎは動きが速いので、緑に鼻タッチ後ご褒美をあげるタイミングがすぐ来てしまいます。左手にご褒美を持ってはいますが、緑の先にタッチして、カチッとした直後にはお皿に到着してしまいますので、飼い主もダッシュです。うちの場合は、ご褒美をどこから出したり、取りに行ったりしている時間はありません。(左手にたくさんご褒美をにぎりこむと、飼い主が興奮して落としたり、1粒をうまくお皿に入れれなかったりするので、私は3粒ずつくらい握っています。)

    きなこはクリックスティックを用いなければクリッカートレーニングができなかったと思います。うさぎを飽きさせず、興味を持たせ続ける絶妙なタイミングと間はクリックスティックでなければ作れません。

    犬のクリッカートレーニングの多くは、クリックスティックは使わずに、クリッカーと棒状のものを使うようです。先生の数人は、むしろクリックスティックに対し批判的でした。
    棒状のものは何でもよく、指し棒、物差し、園芸のピック、編棒など、犬の性格にあったものを工夫して使います。
    犬では、クリックスティックよりも、より長さがあった方がいい、先端は犬の好みにあったものの方がいいのかもしれません。我が家では小さい範囲で遊ぶので長さも特に必要ありませんし、私から棒の先が離れすぎると、きなこはどこに鼻タッチをしていいかわからなくなります。なのでクリックスティックの長さでちょうど良く、使えています。
    タッチする先端が大きすぎたり、うさぎが受け入れられないものだと、タッチはしてくれないでしょう。シンプルな緑の丸、大きさ的にも恐怖を感じさせない大きさで、いいんだと思います。
     

  • ラビットホッピング

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    クリックスティックでうまく遊べるようになったので、ラビットホッピングも買いました。
    うまくジャンプして遊んでくれます。
    きなこは、ラビットホッピングがなんたるかは理解できないようで、クリッカーの先があるから、そこに行く為にじゃまなジャンプ台を飛び越えるというだけです。
    ジャンプして遊ぶと楽しいなどとは思っていないのではないでしょうか。バーを高くすると、下を潜り抜けるか回り込むかします。決してジャンプはしません(苦笑)
    普段サークルに入れておいたら、ジャンプして遊んでくれるかな?とラビットホッピングをサークルに入れておいた時期もありましたが、クリッカートレーニング中でなければ、ジャンプをする事はなく、回り込んで移動していましたので、サークルの中に普段から入れておくことはやめました。

    ラビットホッピングは簡単な作りなので、自分で作製する事は可能だと思います。作るのが面倒だったので購入してしまいましたが、うさぎがジャンプできるものなら、何でも構わないような気がします。

    うさぎのしっぽで安い方を購入しました。
    クリッカー毎にラビットホッピングを組み立てるのが面倒なので、一体型になっていて、ひょいと持つだけで移動ができ、布が貼ってあってくぐれない、高い方にすればよかったかなと思っています。

    ラビットホッピング 3,456 円 (税込)
    https://www.rabbittail.com/products/detail/7741
    うさぎのしっぽのラビットホッピングセット(布付き) 6,640 円 (税込)
    https://www.rabbittail.com/products/detail/7740

「クリッカートレーニング始めるよ!」というと、「ひゃっほ~い」とひねりジャンプでやって来る姿はとても可愛いです。
愛兎とのコミュニケーションとして、取り入れてみてはいかがでしょうか?

 
 

ペット用建材の最新技術~その3

前回、前々回に引き続き、
この記事は2017年 日本建築学会大会(九州)研究討論会(パネルディスカッション)
「ペット用建材の最新技術の動向 子育て、高齢者世帯におけるペット対応を中心として」
のパネルディスカッション資料を読んだ私の感想を書きます。

紹介したい内容が盛りだくさんの為、3回に分けて記事にしています。
関連記事:
ペット用建材の最新技術~その1

ペット用建材の最新技術~その1


ペット用建材の最新技術~その2

ペット用建材の最新技術~その2

では以下より、その3です。

3.内装材(壁紙など、壁のお話です。)

①ボード類

・壁紙とは別に、ボード類と呼ばれる内装材がある。
壁・天井に用いられる建築用ボード類は、下地材と仕上材に大別され、仕上材は、素材の風合いを生かした素地仕上材とボード表面に予め工場などで壁紙および塗装などの仕上材を施した化粧材に分類される。
化粧材の素材としては、木質系より無機質系のものが多くみられ、猫や犬は、爪とぎにより壁にひっかき傷を作る事が想定される為、比較的表面強度が高いと考えられる無機質系ボードが好まれると推察される。

・住宅用の下地材としてせっこうボードが多く使用されるが、近年様々な機能を付加したせっこうボードが発売されている。
割高ではあるが、仕上材の取り合い部分などから臭気や水分が侵入することもあり、これらの防止に多機能ボードは役立つ。

・調湿、VOC吸着性能がある下地材の上に仕上材の施工する場合は、機能が損なわれない仕上材を選ぶ事。清掃等メンテナンスについても注意が必要なものも多い注意する。

②壁紙

・猫の爪とぎ、引っかき、犬のかじりなど、鋭利なものへの強度、体のすり寄せ等の長期繰り返しに対する強度試験がある。壁紙工業会制定の試験を基本として実施した上で、更に厳しい試験を独自に実施している企業もある。

-爪のひっかき傷や犬のかじりなどについて
壁紙工業会制定「表面強化壁紙性能規定」準拠、「表面強化試験性能基準」判定4級以上を有することが表面強化壁紙の条件である。

5級から1級まであり、5級が一番強い壁紙のようです。我が家も、次に壁紙を選ぶ際は、この「表面強化試験性能基準」判定4級以上を目安に検討対象にしたいです。

-汚れ防止について
壁紙工業会制定「汚れ防止壁紙性能規定」がある。汚れ防止試験性能基準4級からほとんど汚れが残らない。

-他に壁紙工業会が制定しているもので、防カビ壁紙性能試験がある。

・消臭機能について

消臭性に関しては、珪藻土を使用したタイプも存在するが、壁紙自体の厚みが1mm程度であるため、左官仕上げと比較した場合に機能的に過剰な期待は無理である。施工の簡易性とコストを優先し、表面の風合いと補助機能としての消臭機能などを取り入れる場合には最適である。

壁紙に珪藻土が塗られた壁紙があるんですね。その厚みが1mm程度、珪藻土層が非常に薄い為、珪藻土の左官仕上げと比較した場合、余り期待はできないよという事ですね。

・壁紙における今後の動向

ペットの抜け毛が静電気で壁紙に付着することがあるため、美観、衛生の両面から帯電防止機能が見直される可能性があることを2011年に指摘したが、まだそこまで至っていない。~中略~現在、帯電防止機能を有する壁紙は、クリーンルーム等に使用される特殊なものしか存在しない。

壁紙に毛が着くのを防止する事で、住む人が掃除のしやすくなり、結果ノミ・ダニ等のアレルギー問題の解決に繋がり、喘息等を引き起こす危険の低減になるそうです。
静電気は乾燥してい湿度の低い冬に発生しやすいので、冬は壁にクイックルワイパーなどまめに掃除をした方がいいんだなと知りました。
反対に、湿度の高い梅雨時期に付着が起こると粘着性を帯びた付着となり、掃除がしにくいようです。
うさぎの毛は舞いやすいので、犬や猫以上に掃除に気を付ける必要がありますね。

③左官材

・左官材として、漆喰壁、珪藻土、砂壁などがある。
汚れが染み込んでしまい、ふき取りが困難であったり、傷が付き易いものが多い。トップコートで処理する事で、表面の汚れや傷をつきにくくする事が可能。

・ペット共棲による室内壁材として使用する場合の留意点

ペットによる汚れや傷が最も付き易い腰壁部分までは耐汚性や耐傷性に優れた腰壁パネルや腰壁シートを使用し、ペットが触れない壁面上部および天井面には、意匠性や調湿性、悪臭低減効果などの機能性を持った左官材を使用するという方法が推奨される。

・ペット共棲に一番効果的なもの
ペット臭低減の機能面では、珪藻土などの多孔質素材を利用した左官材が効果的。
もっとも効果的な対策は、天井面へ左官材を施工する事。汚れや傷を回避でき、かつ珪藻土壁の特徴である調湿効果や悪臭低減効果を有効に利用することができる。
天井は壁に比べて面積が広く開口部もなく、家具でも遮られない。気温や気流で湿気や有害物質が上昇し、効率よく各機能が発揮される。

・多孔質素材
珪藻土の他に、炭、ゼオライト、白洲などがあり、備長炭をチップ状にし、表面処理した左官材もある。この備長炭を使用した左官材は、調湿性や悪臭低減に加え、ペットの鳴き声への反響音を軽減する吸音・遮音効果もあり、ペット共棲の内装材として有効。

④室内用塗料
・ビニールクロスの上から塗れる、汚れ防止塗料がある。

⑤内装材まとめ

これまでの調査結果から、ペットと共棲する住まいの壁・天井材としては、ペットの手足が届く範囲である腰壁部分には表面強化性に優れた仕上材を用い、それよりも上部の壁や天井には調湿性や臭いの消臭性、VOCの吸着性など空気環境の向上を促す機能のある仕上材を施工するのが望ましいと考える。
その際、腰壁部分には表面強化性に優れる腰壁シート等を用いるのはもちろん好ましいが、3.2.8で紹介した猫用の造作壁や爪とぎ用保護シート等、後付け出来るものを施工するのも一つの手法として検討できる、また腰壁シート等の仕上材を比較的簡易に貼り替えできるような、リフォーム性を考慮した下地材は現存しておらず、商品や使用の開発を期待したい。

以上です。

この冊子を作られた方の「人間とペット双方が幸せと感じる毎日を過ごせますように…」という深い愛を感じました。

冊子の最後のページに総括があり、こう締められていました。

建築学会大会におけるパネルディスカッションということで、材料施工分野にこだわらず、「我が家でペットを飼っている」という方にはぜひ気軽に聴きにきていただきたいと思っている。今回の成果がペットを飼われている一人でも多くの方、そして一匹でも多くのペットが幸せに暮らしていけるように、人間とペットの共棲に役立っていただけることを、心から願っている。

また、以下のような内容も書かれていました。
・ペット用の建材が発売された当初は、動物よりも飼い主である人間にとって便利であろうと思われる建材が多く見られたので、人間とペットの共棲ができるという観点で調査を行われたこと、ペットは色々な習性による行動を起こすが、行動を制限するのではなく、行動を起こしても臭気や傷が目立たない建材が必要である。

・犬や猫の飼育頭数は減少していますが、市場は拡大しています。今後もペット用の建材については、さらに拡大し、利便性や高級化されていくだろうとも予測されています。

私は、愛兎きなこの為の床材を血眼になって探していた時期もあり、何時間もネットサーフをして、断片的な情報を集め、実態把握に四苦八苦した事があります。
この冊子には、その全てが書いてありました…もっと前にこの冊子に出会っていれば、的を絞った調べもので済んだでしょうに!
内容量、項目も多岐に渡り、全てをご紹介できないのが残念でなりません。

私にとって、建築と聞いても何も思い浮かぶものがありませんし、大学の先生の研究って、具体的にどんな事をやっているのかピンときませんでしたが、このパネルディスカッションの冊子を読んで、日常にとっても身近で生活がより良くなる為にどうすればよいのか、色々な方面から考えて改善していく沢山のプロ達が頑張っている事を知りました。
目には見えないですが、たくさんの方々がプロとして、建築の技術向上に邁進して下さっているのですね!とても頼もしいです。

これ、便利だな~なんて気軽に導入した腰壁シートにも、知恵と汗の結晶なのか!と改めて感心しました。
きなこのおかげで、とても楽しい毎日を過ごせるだけでなく、今まで感じる事のなかった広い世界を感じる事ができました。

 
 

ペット用建材の最新技術~その2

前回に引き続き、
この記事は、2017年 日本建築学会大会(九州)研究討論会(パネルディスカッション)
「ペット用建材の最新技術の動向 子育て、高齢者世帯におけるペット対応を中心として」
のパネルディスカッション資料を読んだ私の感想を書きます。

紹介したい内容が盛りだくさんの為、3回に分けて記事にしています。
関連記事:
ペット用建材の最新技術~その1

ペット用建材の最新技術~その1


ペット用建材の最新技術~その3

ペット用建材の最新技術~その3

では以下より、その2です。

2.床材

近年のペットブームにより、ペット対応の床材も増えてきました。今後も市場は大きくなると予測されています。
床にまつわる悩みと感心度合の推移は、犬は低下傾向、猫の悩みは増加傾向だそうです。最近猫ブーム、すごいですものね。

床のお悩みナンバーワンは、ペットが滑る事だそうです。
犬も寿命が長くなり、ワンちゃんの足腰、心配ですよね。

以下の床材について書かれています。

①カーペット
②フローリング
③ビニル系床材
④畳
⑤コルク
⑥その他屋内用床材
⑦人工芝
⑧その他屋外用床材

私が興味を持ったポイントです。

①カーペット
カットとループがあるが、ループはペットに不向き。
ループは、その名の通り輪状になっており、犬の場合は爪が引っかかり危険です。
怪我:衝撃や滑りには配慮されている。固定しないとずれて危ない場合がある。
音:クッション層があるカーペットは、音を吸収してくれる。
臭い:消臭タイプもあるが…
耐久性:ナイロン素材で繊維が長いもの(BCFナイロン)は、カーペット自体の抜け毛が発生しにくい。
ダニ:防ダニやアレルギー対策機能のものがある。
掃除:嘔吐や粗相があるので、部分的に取り外して洗うことのできるタイル状のカーペットが適している。但し、ペットの抜け毛の掃除は、ほかのビニル床などには劣る。
その他:
カーペットの汚れは、スチームクリーナーのスチームだけれは落ちない。
フローリングの上にカーペットを敷いているときは、床までおしっこがしみるのは敷き方と製品の差による。速やかにふき取る事。

②フローリング
平滑で掃除しやすいが、爪が表面に食い込まないた為、犬の歩行動作において負担が大きい。フローリング表面が天然木なら、傷が付きやすい。

走行時のすべりに対する対策がされた製品が増加し、飛び跳ねの防音対策がされているものもあったが、ペットの関節への衝撃の観点での記載はない。
顧客要望を反映して製品開発に取り組む市場への意気込みは感じられるが、顧客が持つ複数の要望を満たす面では、まだまだ発展途上。

フローリングの項目で、興味深いQ&Aがありましたので、内容を簡単に紹介します。
Q フローリングより変わらかい床材に何歳から変えればいい?
A 5歳の誕生日を迎えたら室内の見直しを検討し、7歳からシニア対策をする。高齢期だけでなく、幼年期も骨の健全な発育の為に、生活空間はしっかり踏み込める床である必要がある。ダックスや脱臼しやすい犬種は年齢にかかわらず、床の緩衝性は重要。

③ビニル系床材
床タイルと床シートがある。
トイレ専用や浴室用もある。平滑で水分がしみこまず、清掃性に優れる。滑らない。

④畳
クッション性、滑りにくさ、乾いたゴミの掃除しやすさからみると、優れた床材。
ペットの爪に対する耐久性は劣り、共棲に適しているとは言えない。
フローリングの上に敷くと、カビやダニの発生が考えられ、できれば避けたい。どうしても敷く場合は、毎日定期的な通風が必要、畳のずれによる転倒には気を付ける。
(毎日…!!読んでびっくりしました。毎日必要とは…なかなかハードルが高いですね。)

⑤コルク
弾力性や保温性に優れる。滑り防止になる。汚れた部分のみ交換する。見た目がフローリングと変わらないものもある。
排泄物の汚れは素早くふき取るように記載されており、液体のしみこみには十分注意する。
共棲面でのリスクは大きい。

この記事について、一級建築士と話をしたところ、コルクフローリングはガッチリ組んであるので外せない、外すと元の所には入らず大変なことになる、との事です。

コルクタイルも、業者さんに頼んで、ビッチリ床に敷き詰めた場合は、外すことは容易ではありません。すきまがあると、ほこりが入るので、ボンドや隠し釘できっちりと詰めて貼られているタイルは、外すことは業者さんでない限り、無理だと考えた方が良いです。

置き敷きのコルクタイルは、交換できます。

弾力性を考えると、コルク層の厚さは重要です。
コルク層が1mmだとすると、弾力性はフローリングとほぼ変わりません。衝撃は関節によくありません。
コルク層が厚いと弾力性があがります。

コルク床の弾力性でもう少し話すと、下地も大変重要です。
コンクリートの床の上にコルク床を敷いても、弾力性は余り高くありません。
木の下地(根太)の上にコルク床を敷くと弾力性が期待できるでしょう。
コルクがびっちり詰まっている、密度の高いコルク床を使うと、表面の傷はつきにくく、密度の薄いコルク床を使うと、表面の傷がつきやすいです。
ただし、これは塗装にもよりますので、一概には言えませんが…
ぜひ、新築やリフォームをお考えの方は、建築士の方と相談してみて下さい。

住宅展示場でよく見かける、子供室などのコルクフローリングですが…
実際の普及率は数%で、やはり魅力には感じたけれども採用には至らないというケースが多いようです。

⑥その他屋内用床材
・タイル
固い、冷たく感じるなどから現状では限定的利用が多い。
吸水、浸水しない事から、散水しての清掃が可能で清掃性にすぐれる。
(しかし、これも一級建築士から指摘されましたが、排水などが考えられていない場合には濡れた雑巾などでの水拭きが中心となるので、屋外のようにホースで散水&デッキブラシでゴシゴシとはいかないとの事。)

タイルは、目地の処理が必要だが、尿や汚れの染み込みを低減した目地がでている。
関節の負担を考慮すると、柔らかい素材との組み合わせが必要となる。

・フロアコーティング
ワックスより耐久性に優れる、床材の破損により剥離が必要になっても対応できない。ワックスは、「化学的・物理的手段により容易に除去できるもの」であるが、コーティングは容易に除去できないものである。
採用増加と同時にトラブルも多発したようだ。

⑦人工芝
尿や臭い対策、衛生面を考慮すると、メンテナンスが容易とはいえない。
丁寧なメンテナンスか、比較的短期間での取り替えが必要。
ペットの食いちぎりの問題もある。

⑧その他屋外用床材
・ゴムタイル
(歩道橋の上に使われいる、道路っぽい表面。歩きやすい、ちょっと柔らかいアスファルトの道路みたいな道。)
足音を消す、足に負担がかからない効果を期待できる。断熱性が高い為、下地の冷たさや夏場の暑さ対策にも有効。
床材メーカーでの販売が多い。滑らず、クッション性も高く、転倒防止にもなる。馬用も売られている。ペットだけでなく、高齢者、子供向けに集合住宅などで使用していくほうがよいと思われる。

・バルコニー素材(木材プラスチック再生複合材料)
木は、日光による劣化、腐る、ささくれの心配があるが、この素材はこうした現象が生じない為、ペットの足や皮膚の怪我を減らせる。
「夏場は表面温度が高く、やけどする可能性があるのでご注意ください」と表示があり、遮熱材料との併用が必要な場合もある。
(リクシルのものは、夏場70度以上になるんだそうです。(2016.08)目玉焼きくらいはできる暑さになり、はだしではやけどするので、歩くなと注意があるそうです。犬にもだめですよね、これ…リクシルだけに限らず、このような製品は同じようにアッチチになってしまうとの事です。)
ルーフバルコニーやベランダなど使用する際はよい材料と思われる。

・マンション等外部用ビニル床シート
(外廊下などで使用するシート材、バルコニー用のシート材)
コンクリートよりも汚れが付着しにくい、排泄物がこぼれても浸透せずにふき取り可能。中には、遮熱性、吸音性に優れた商品もある。
防滑試験も、ほとんどのもので行われている。
薄い為、断熱性は期待できないが、今後は遮熱性や断熱性があるものが出てくると、ペットにとって良い素材。高齢者、子供にも良い。

・温度低減化材料(歩道用)
アスファルトに塗る塗料や舗装材料。夏場のコンクリートは、表面が60度以上になる事があるが、これを使用すると、最大10~15度抑制できる。舗装材の内部に熱が侵入しない為、ヒートアイランド現象の緩和になる。
表面温度がアスファルトより10度から15度低く、最大45度までにしかならないものが多い。夏場の飼い主の睡眠時間確保とペットの安全を考慮すると、さらなる開発が期待される。
車や重量物が頻繁に通るなら、はがれが生じやすくなる。

以上の事から、
ペット用建材として注目されていなかった素材も、十分ペット用として今後使用できる可能性があるが、市場規模やリスクも垣間見える。
長所はペットだけでなく、高齢者や子供にとってもよい建材であるものが多い。

性能項目は、ペットの種類、個体差もあり、検査の範囲が幅広い。
床材に関する性能試験は、学術的根拠を伴った性能試験方法が少ないのが現状。

以下は私が興味を持ったQ&Aです。

Q 性能の観点から適切に床材を選定するため注意すべきポイントは何ですか。
A 床材の特性の善し悪しと、ペット個体の嗜好との両面をかんがみて、適宜選定する必要があります。
インターネットなどでの評判は、あくまでも個人の感想にすぎず、収集したデータを統計的に分析するほど多くの事例や根拠がない場合がほとんどです。それらの情報は、貴重ではありますが、ペット個体の嗜好に大きく左右され、自分の飼育する個体に絶対的に当てはまるものではないことを良く認識しなければなりません。
一方で、ペットが好むからといって、基本的性能が不十分な床材を用いてもいけません。上述のとおり、ペット建材に対する性能試験方法はまだ研究途上であり、学術的根拠を伴う性能評価方法がない性能項目も多いですし、ペットの種類によっては飼育事例の少なさなどから検討が後回しにされる場合もあるでしょう。これは、床材開発メーカーや建材に関する研究者、獣医師などが今後いっそう努力する必要のあるポイントではありますが、すでに実際に飼育している以上は、安全、快適な床材を適宜選択するのが飼い主の義務です。
結局のところ、飼い主がペットの体の構造や生態、嗜好を良く理解し、飼い主の責任のもとで適宜選択するよりほかにありません。様々な情報を集め、それらを鵜呑みにもせず、根気よくペットも飼い主も納得できる床材を探すのが大切です。

屋内用床材だけでなく、屋外用床材まで広く調査した結果、機能・性能として上記項目が検出された。実際に起こり得る問題、ペットの安全性、住む人の居心地、その他を総合的に検討・考慮して床材を選択する必要がある。


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この表は、床材を選ぶ際のポイントを考える上で、参考になると思いました。
私も床材を選ぶ際、エクセルでこの項目をどれ程満たすか、品物ごとにチェックして、総合的に比較して決めようと思いました!

2011年の調査に比べ市場の進歩が伺える。但し、対応製品は増加したが、注意書きが増えた種類も見られる。完ぺきを求める生活者の要望に対応しきれていない状況が伺える。
機能・性能や特徴の表記に関しては、数値化されていない場合は比較対象がわかりにくい傾向にあった。例えば『すべりにくさ』が床材の種類間の差なのか、表記があいまいな場合があった。また、市場に出ている販売業者による取り扱い品レベルでは同品種内とみなされる製品においても機能・性能の差が大きい。そのため、選択の際だけでなく、異素材間の比較・検討の際にも十分注意すべきである。
種類によって差はあるが、業界慣習や企業側の思い込みが強く、生活者が比較する際には、ややわかりにくい傾向にある。

ひとまず、本日は以上です。

続きの「壁紙などの内装材」と「まとめ」について、近日中にアップします。

 
 

ペット用建材の最新技術~その1

先日行われた日本建築学会の研究討論会でおもしろい内容があったのでお話します。
記事が長くなりすぎたので、3回に分けてご紹介致します。

紹介したい内容が盛りだくさんの為、3回に分けて記事にしています。
関連記事:
ペット用建材の最新技術~その2

ペット用建材の最新技術~その2


ペット用建材の最新技術~その3

ペット用建材の最新技術~その3

日本建築学会というのは、耳慣れない言葉だと思いますが、建築学科の大学の先生をはじめとした、建築の専門家が集まる学会です。
毎年夏に3日間、様々な研究発表が行われます。
そして、毎年重要と思われるテーマについて、10テーマ程研究討論会(パネルディスカッション)が行われます。
今年は九州の福岡大学で開催されましたが、そこで研究討論会「ペット用建材の最新技術の動向 子育て、高齢者世帯におけるペット対応を中心として」という発表がありました。

私は、パネルディスカッションの資料を拝見したのですが、内容は建築やペットについて専門知識がない私でも、面白く読める読み物でした。
床や内装などの材料について、たくさんの種類の良し悪しやポイントが紹介されています。ところどころに、飼育・しつけ・住環境などに関してのQ&Aが差し込まれており、お悩みに応える形式になっています。
ペットの床材についてお悩みの方も多いと思います。この冊子を読んだだけで導入する商品が決められるという内容ではありませんが、複数の床材の特徴を簡単に、一度に確認できる、とてもよい冊子だと思います。

冊子の情報量はとても多いので、全ての内容をご紹介はできないのですが、私が気になった点をご紹介します。

この冊子に、うさぎについての事例の掲載などは一切ありませんでした。うさぎというワードが出てくる事もありません。
残念ですが、うさぎは、まだまだエキゾチックアニマルという分類の中の1つでしかない、マイナーなコンパニオンアニマルなのでしょう。
快適な住環境というのも、犬や猫よりずっと研究は遅れており、まだまだ発展途上だと思います。うさぎがパートナーとなって共に暮らしていく歴史を作る為には、うさぎを飼っている皆様一人ひとりにかかっていますね。
脱線しました、では以下に内容をまとめてみます。

なお、私たちがよく使っている「ペット共生住宅」などの共生という言葉は、この冊子の中では用いられておらず、全て『共棲』という漢字があてられいます。


1.人間とペットの共棲について考える

・住まいは、人間の為に作られているので、現状の住空間や建材では、ペットの生活習慣や行動特性に対応しきれず、ペットにとってはそれがストレスとなり、ペットのストレスやストレスによる行動が、人間のストレスとなる。
・お互いが不幸になる結果を引き起こしてしまうので、両者の視点に立った住環境づくりが必要だ。人間の生活の質(QOL)を阻害せず、人間とペット両者の視点に立った住空間(ハード)づくりが必要。
・ペット関連のトラブルは、飼い主の知識や考え方などの習熟度が未熟である事が要因の場合も多い。飼い主の習熟度を高めることも今後の課題だ。

印象に残った部分を引用します。

近年我が国では人間側のライフスタイルの変化から、前述のような家畜的に働く役割を持ったペットを飼育する世帯は減り、住環境も専用庭のないマンションなどが増加したため、室内にて哀願目的でペットを飼育する世帯が増えている、しかし人間側の『室内でペットを飼育するための習熟度の低さ』が原因で、さまざまなトラブルを引き起こし、人間側とペット側のお互いにストレスが高まり両者のQOLを低くしていることも現状である。ペットと同じ室内で共棲する上でトラブルを回避するためには、両者の関係に優位性は無くパートナーとして共棲しているという意識が不可欠である。
~以下中略-犬の十戒について紹介~
ここで重要なのは人間とペットのお互いのストレスを無くすためには、人間の側から常に歩み寄らなければいけないということである、



以下からは、ここまでの私の感想です。
人間の都合で、うさぎ・犬・猫、全てのペットは行動を制限され、本来の自然の姿からはかけ離れた環境で暮らす事を強いられています。ペットたちが少しでも苦痛なく、少しでも本来の姿に近いように、楽しく毎日を過ごせるように、人間が出来る限りの環境を整えてあげなければいけません。ケージのサイズ、床材一つとっても、種に応じた適切な環境を作る必要があります。

しつけと環境整備は紙一重。床材1つ、壁紙1つ、空間をちょっと工夫するだけで、問題行動が収まって、ペットも人間もハッピーになれたら、言うことないですよね。今まで、「建築」という世界を身近に感じた事はありませんでしたが、きなこを通して、色々考えさせられる事がありました。
建築は、人の生活やQOL(クオリティーオブライフ、生活の質)に、かなり直結していますね。

こうも書いています。
・メーカーとユーザーの間には、まだまだ溝があり、完璧を求める生活者の要望に対応しきれていない。

・各メーカーの評価基準も一定ではないので比較が難しい。測っている条件も十分でない、表記があいまいだったり、機能性能の差が大きいなど、ユーザーが比較するにはわかりにくいものだ。

評価基準が一定ではない→
床について、調べることのできる項目は、先ほど表にしましたが、この項目について知らべる為に採用する試験法が、公的試験法や業界基準による試験法、自社基準による試験が混在、試験方法の記載についても、各社ばらばらです。項目や試験方法を今までは記載していたのに、浸透したと思った為か、記載から消した企業もあります。その反対もあります。

測っている条件が十分でない→
例えば、遮音についての実験で、ものを落として測った場合、ペットという違う条件で出た音であっても同様に遮音できるはずだという想定の上で成り立つのはわかるけれど、単発ではなく連続的に発生したり、時間帯によって人の耳にとても聞こえやすかったり(猫ちゃんが夜中に走り回って音がうるさいという場合があったりしますよね)するので、現行では、不十分だ。今後詳細な検討が望まれる。
耐傷性実験(引っかき傷がつくか調べる実験)では、ペットの爪による床材の傷を再現できる可能性が高い試験器を日本建築仕上学会が開発している。その一方で、床の損傷を調べる耐摩擦性試験の代表的なもの中には、動作負荷を再現した装置ではないそうです。

「ある状況下で摩擦しやすい床材は違う状況下(ペットの動作)でも摩擦しやすいという想定での判断となるが、それにしても負荷要因が大きくかけ離れていると言わざるを得ない。ペット飼育での摩擦状況により近い試験方法の開発が今後が望まれる。

表記があいまい→
機能・性能・特徴が数値化されていない場合は、比較対象がわかりにくい。
「すべりにくいさ」は床材の種類間の差か?同一種類においての他社比較か?以前の自社製品との差か?などです。

機能性能の差が大きい→
市場にでている販売業者による取り扱い品レベルでは、同品種内とみなされる製品であっても、機能や性能の差が大きい。


・インターネットなどの評判は、あくまでも個人の感想で、根拠がない場合もあるし、ペット個体の嗜好に左右され、自分が飼っているペットに当てはまるものではない事も認識しないといけない。

・ペットが好むからといって、基本性能が不十分な床材を用いてもだめだ。性能評価などは研究途上であり、メーカーや獣医師などが一丸となって努力しなければいけないけれど、飼い主さんも安全で快適な床材を適宜選択する努力が必要。
色々な情報を集め、鵜呑みにせず、根気よくペットも飼い主も納得できる床材を探してあげて、という内容です。

本当ですね。気が引き締まります。
ユーザーが賢くなって、よく選ばなければいけません。
ことさら建築となると、使うお金も大きいですし、簡単にやり直しできませんから、慎重に検討する必要がありますね。まだまだメーカー任せにはできません。


続きは、近日中にアップします。

 
 

ふるさと納税 神奈川県山北町 ローストビーフ

神奈川県 山北町にふるさと納税で1万円を寄付し、ローストビーフ500gが届きました!

08/05 さとふるより申し込み、Yahoo公金クレジット払い
08/06 寄付金受領書到着
08/13 お礼の品到着

到着、早かったですねー!
山北町は、発送時期が「お申込みから1週間程度」と記載があり、写真が美味しそうだったので選びました。
最近ローストビーフ、流行ってますよね。丼物の専門店ができたり、ネットのニュースでもちょこちょこ見かけるようになり、気になっていました。

段ボールにプチプチで巻かれたローストビーフセットが入っていました。広告や食べ方などの冊子等は入っておらず、ローストビーフのみです。

ローストビーフ

解凍し、薄切りにして小口ねぎをぱらぱらふって、頂きました。
臭くないし、パサつきもありません。ゴムのようなローストビーフでもありません。
ついていた西洋わさびをのせて頂くと、爽やかで美味しい!あっさり、さっぱり、夏にはぴったりで、とても美味しく頂きました。

きちんと薄切りにできるか、お肉が切っているうち、ホロホロ、バラバラになってしまわないか、半解凍でないと切りにくいか…など心配していましたが、完全に解凍されたお肉でも、問題なく切る事ができました!
お刺身などは家で食べるとぐちゃぐちゃにしてしまう私ですが、ローストビーフは完全に解凍された状態であっても、バラバラにならず、2~3mmくらいに包丁で切る事が出来ました。

山北町のふるさと納税は、さとふるから申し込みましたが、さとふるは、発送時期が書いてあるところがいいですね!
早く受け取りたい時や、ホームパーティーなど予め決まった期間内に受け取りたいものってありますよね。
ふるさとチョイスは発送時期がほぼ記載なしなので、さとふるは大変助かります。
さとふるで一つわがままを言うと、発送時期から検索できるようにしてほしいなぁ。発送時期から検索する事はできないので、早く到着する商品を選ぼうと思うと、各商品のページを一つ一つ開いて、時期を確認するしかありません。
時期を把握し、入力するのは役所の人が大変だし、コストになるから無理かしら…^^;

さとふるでも、発送時期を明記しておらず「2016.6.25~」のようにだけ書いてある県もあります。
これはお正月限定かもしれませんが、最終申し込み○○日、最終発送○○日など細かに記載があるものもあります。
去年末は、お正月に確実に受け取りたいお礼の品は、発送日時を選ぶ目安にしました。